移動時間の見積もり方
旅行の当日、思ったより移動に時間がかかって、行きたかった場所を諦めた——そんな経験はないでしょうか。
予定通りに進まない原因は、多くのケースで移動時間の見積もりにあります。このページでは、乗換案内や地図アプリで調べた移動時間が「15分」であった場合を例として、旅程にどのように組み込めばよいのかを紹介します。
検索結果が「15分」でも実際には「30分」になる
乗換案内で「乗車15分」と出た区間でも、実際にはもっと時間がかかります。宿を出てから目的地に着くまでを分解してみます。
| 駅まで歩く | 5分 |
| 改札を通って、ホームへ | 3分 |
| 待つ | 時間帯による(ここでは5分とします) |
| 乗車時間 | 15分 |
| 降りて、目的地まで歩く | 5分 |
| 合計 | 約33分 |
乗車時間が15分であっても、実際には30分あまりかかります。差が出るのは駅までの移動時間と待ち時間です。
このうち予想しにくいのは待ち時間ですが、待ち時間は平均すると電車やバスの間隔の半分です。10分間隔なら平均5分、20分間隔のバスなら平均10分。ただし1本逃すと、まるまる1本ぶん待つことになります。
駅の出入りにプラス10分。そこに、間隔1本ぶんを足すと、実際に近い数字になります。本数の少ないバスやローカル線ほど、多めに見ておくと安心です。乗換案内で調べるとき、ついでに次の便まで何分空いているかを見ておくと、この数字はすぐ分かります。
余裕時間の「置き場所」に気を付ける
「それなら、全部の移動に15分ずつ足しておこう」とすると、今度は1日が間延びして、空き時間だらけの旅程になってしまいます。
コツは、遅れて困る移動と、困らない移動を分けることです。
- 次の予定が観光なら、10分遅れても、見る時間が10分短くなるだけです。余裕は少なめで大丈夫です
- 次が新幹線や飛行機、予約したお店なら、遅れは避けなければなりません。余裕はここに集めましょう
間に合わないと困る移動の前だけ「1本前に乗るつもり」で組んで、それ以外はさきほどの目安どおりに。余裕は全部に均等に足すものではなく、置き場所を選ぶものと考えてみてください。
時刻が決まっている移動は、先に置いて逆算する
新幹線、飛行機、予約したお店。時刻を動かせない予定があるときは、朝から順番に考えるのではなく、その予定を先に置いてしまうのがおすすめです。
そのうえで、前の予定は「何時まで見られるか」ではなく、「何時に切り上げるか」で決めます。たとえば15:40の新幹線なら、駅まで30分と余裕20分を引いて、14:50がその日の観光の終わり。この時刻さえ決めておけば、当日に迷いません。
新幹線や飛行機は、一度乗り遅れるとその日の残りが全部崩れてしまいます。先に置いて逆算しておく価値は、ここにあります。
旅かるたでは、決まっている移動は条件入力のときに登録できます。登録した移動の時刻は動きません。その前後に、AIが他の予定を組みます。
歩いて25分までなら、歩くのも意外と速い
短い区間では、電車より歩いたほうが速いことがあります。
乗車5分の区間でも、駅の出入りと待ち時間を足すと20分前後かかります。歩いて25分の距離なら、ほぼ同着です。しかも徒歩には待ち時間も遅延もないので、見積もりが狂いません。
目安は歩いて20〜30分まで。それを超える距離——たとえば東京駅から浅草寺は徒歩63分——になると、さすがに歩く距離ではありません。荷物があれば、なおさらです。
その移動時間の数字は、どこから来た数字ですか
最後に、少し意外かもしれない話をひとつ。移動時間の数字は、どこから来た数字かで、信用できる度合いが違います。
| 出どころ | 中身 | 付き合い方 |
|---|---|---|
| 乗換案内アプリ | 時刻表の実データ | 発車・到着の時刻は分単位で信用できます。ただし「乗っている時間」で、ドアからドアの時間ではありません |
| 地図アプリの車ルート | 交通状況の実績 | 曜日・時間帯で大きく変わります。旅行当日の曜日と時刻を指定して調べてください |
| AIが出す所要時間 | 推定 | 時刻表を見ていません。旅程の骨組みには使えますが、乗る時刻を決めるのには向きません |
どれくらい違うのか、実際に測ってみたことがあります。東京駅から浅草寺まで、ルート検索では車15.8分・自転車21.7分・徒歩63.5分でした(2026年8月)。同じ区間を電車で移動する時間を、AIは45分と見積もりました。それらしい数字ですが、時刻表から出た数字ではありません。
実は、日本国内の電車・バスのルートは、地図サービスの検索機能を外部のアプリから利用することができません。旅かるたもその制約を受けており、国内の電車・バスの所要時間はAIの推定値です。車・徒歩・自転車は実際のルート検索の結果を使っていますが、それでも当日の運行状況までは含まれません。
このような使い分けがいちばん確実です。旅程の骨組みはAIに任せて、乗る時刻は乗換案内や公式の時刻表で確かめる。とくに、乗り継ぎが厳しい区間と、その日いちばん楽しみな予定の直前だけは、必ず確かめてください。
くわしくは1日に予定をいくつ入れるべきかへ