1日に予定をいくつ入れるべきか

「2泊3日もあれば、あれもこれも回れるはず」——はじめはそう思っていたのに、実際に旅程を作成してみると、意外と入らない。かといって詰め込むと、疲れるだけの旅行になってしまう。

旅行の計画で誰もが迷う「1日に何か所回れるのか」を、このページでは、実際にAIで作った旅程を例に考えてみます。

2泊3日の旅程でカードは「17枚」になった

旅かるたで、東京2泊3日の旅程を作ってみました。行きたい場所として挙げたのは、浅草寺・東京スカイツリー・築地場外市場の3か所です。

できあがった旅程は、カード17枚でした。

中身枚数
観光・食事4
移動7
宿泊(チェックイン・泊・チェックアウト)4
出発地・到着地2
合計17

移動が7枚で、全体の4割です。

計画を立てているとき、頭の中にあるのは「観光・食事」の4枚だけではないでしょうか。残りの13枚——移動や宿の出入り、行き帰り——は、行きたい場所リストには出てきません。「思ったより回れない」と感じる正体は、この見えていない13枚です。

1日に入る数は、時間の引き算で分かる

では、1日に何か所くらい回れるのでしょうか。これは行きたい場所リストの長さではなく、時間の引き算で決まります。

たとえば、朝9時に宿を出て、18時に宿へ戻るとします。持ち時間は9時間です。

持ち時間(9時〜18時)9時間
移動(片道30分×4回)−2時間
昼食−1時間
予定に使える残り6時間

残った6時間を、1か所1時間半で割れば4件。じっくり2時間なら3件。入るのはここまでです。もっと回りたいときは、件数を無理に増やすのではなく、この引き算のどこかを削ることになります(削り方は後半で紹介します)。

おすすめは、先に「夜、何時に宿へ戻るか」を決めてしまうことです。「疲れたら早めに戻ろう」と思っていても、たいてい戻れません。先に「18時には宿に入る」と決めておくと、1日の後半が自然にちょうどよい感じになります。

空き時間があっても、失敗ではありません

こうして引き算してみると、「意外と空き時間があるな」と感じるかもしれません。でも、それで大丈夫です。

旅かるたの開発中に、うまくできた旅程と崩れた旅程で「予定と予定の間の空白」を測り比べたことがあります。うまくできた旅程にも、数時間の空きはふつうにありました。

2〜3時間の空きは、削るべき無駄ではなく、遅れを吸収してくれる余白です。直したほうがよいのは「半日なにも無い」ような場合で、それは予定の入れ忘れか、AIの組み間違いのどちらかです。

予定が崩れるのは午後。削られるのは、いちばん最後の予定

詰め込んだ旅程が崩れるとき、朝から崩れることはあまりありません。

崩れるのは午後です。朝の移動で10分、次の移動で15分、昼食が長引いて20分——遅れは少しずつ積み重なって、消えません。そして夕方、その日いちばん楽しみにしていた予定の時間が削られます。削られるのは、たいてい最後の1件なのです。

予定を並べるときは、この3つを意識してみてください。

とくに3つ目がおすすめです。旅先で予定を削るのは、なかなか思い切れないものです。最初から「余ったら行く」枠にしておけば、削る決断をせずに済みます。

もっと回りたいときは、移動を削る

さきほどの時間の引き算で、いちばん削りやすいのは移動です。3つの方法があります。

方面をまとめる

同じ方向にある場所を、同じ日にまとめます。地図を開いて、行きたい場所に印を付けてから日を割り振ると、自然にまとまります。日ごとに東へ行ったり西へ戻ったりすると、同じ道を何度も通ることになってしまいます。

往復をつくらない

宿を起点に往復すると、移動が増えます。

宿 → A → 宿 → B → 宿移動4回
宿 → A → B → 宿移動3回

AとBの間に道があるなら、宿へ戻らずにつないだほうが速いことがよくあります。

長い移動は、予定に格上げする

どうしても削れない長い移動は、それ自体を楽しむ予定にしてしまう手もあります。車窓、駅弁、途中下車。「移動3時間」を我慢の時間と考えるか、1つの予定と考えるかで、1日の見え方が変わります。

逆に、予定がスカスカの日ができてしまったら

AIが作成した旅程では、逆に予定がほとんど入らない日ができることがあります。AIは「何日間の旅行か」を、思ったほど正確に数えていないためです。

防ぎ方は簡単で、日付を1日ずつ書き出して渡すことです。開発中の実験でも、これだけで空白がはっきり縮みました。

くわしくはAIへの指示の書き方へ

最初から正解を狙わなくて大丈夫です

ここまで「1日に入る数」の話をしてきましたが、実は、最初から正しい件数を当てる必要はありません。多めに作って、様子を見てから減らすほうが早いことがよくあります。

旅かるたでは、旅程から外したスポットは候補に戻ります。消えてしまうわけではないので、余裕ができたら入れ直せます。